内視鏡検査は癌を見つけるためだけの検査ではありません
「胃カメラや大腸カメラでは何がわかるのですか?」患者さんからよくいただく質問です。多くの方は、内視鏡検査を「癌を見つけるための検査」と考えているかもしれません。
もちろん食道癌・胃癌・大腸癌を早期に発見することは内視鏡検査の大切な役割です。しかし、私たち内視鏡医は癌だけを探しているわけではありません。逆流性食道炎や胃潰瘍、潰瘍性大腸炎といった炎症性の病気も診断できますし、消化管の異常から消化管以外の病気の診断につながることもあります。
さらに重要なのは、「重大な病気がないことを確認する」という役割です。例えば、胃の不快感や腹痛が続いていると、医師は癌の可能性を考えなくてはなりません。患者さん自身が心配されるケースも少なくありません。そこで検査を行い異常が見つからなければ、癌だけでなく多くの重大な病気を除外することができます。
診療の現場では、「病気が見つかった」という結果と同じくらい、「病気がなかった」という結果にも大きな意味があります。他に精密検査が必要なのか、このままお薬を続けることで症状改善の兆しがありそうなのかといった判断にもつながるからです。
一方で症状があるにもかかわらず内視鏡で異常が見つからない場合には、胃や腸の働きに関連した機能性疾患を考える手がかりになることもあります。
このように内視鏡検査は、病気を見つけるためだけの検査ではありません。病気を診断するだけでなく、病気がないことを確認することで適切な診断や治療につなげるための大切な検査なのです。
