小児予防接種5種混合にまつわる問題点
[2024.03.01]
従来の小児定期予防接種は4種混合(百日咳・ポリオ・破傷風+不活化ポリオ)の2か月接種への前倒しに加え、新たに4種にHibワクチンを加えた5種混合が始まるようです。これによって最大限ユニバーサルワクチンを活用して接種を勧めた場合、5種混合+肺炎球菌+B型肝炎+ロタとなり、従来よりも接種本数がHibの1本分少なくなる計算です。ワクチンの混合化傾向は進んで、接種間隔間違いなどのリスクの回避や忙しいお母さんの時間的負担を減らすなど利点が強調されております。当院としては感染予防という観点も大事ですが被接種側の負担や学童期にかけての自閉症への影響を懸念し、2~3か月のワクチン同時接種は推奨しておりません。なるべく個別接種に対応していく方針です。そこには接種可能なものはリスク・ベネフィットを考慮して積極的に進める考え方と自然免疫力を期待して最初限度の接種に留める考えと大きく分かれてしまうわけですが、親御さんの考えを尊重していく予定です。それには接種副作用を理解した上で接種する自由と副作用を懸念して最小限に接種を留め、罹患時はできる限り治療・対処するという踏み絵をともに踏んでいただくということです。もう一つの懸念は海外での接種回避運動に反して、残念ながら日本国内では新型コロナウイルスワクチンの小児・未成年・妊婦への接種が推奨され、相当数の方が接種されているという現実です。新型コロナウイルスワクチン被接種者の中で免疫能の低下が報告されており、海外中心に大きな問題になっていますが、国内では妊娠時の母体と胎児への影響、また出産後の乳幼児への影響の観察・評価が十分なされていない現実です。本来なら正常な免疫能が前提の接種であるがゆえに、新型コロナウイルスワクチンの未知の影響が多種同時接種へどう出てくるか測りかねるところです。妊婦のみならず乳児への接種が既に行われている場合などは、親御さんの希望に関わらず同時接種は回避をお願いすることも考慮している状況です。