検診で肝機能異常を指摘されたら
[2024.09.28]
肝機能異常の相談は比較的多い案件です。一般的な項目としてはGOT,GPT,γ-GTPがありますが、通常検診などではせいぜい100〜200前後のことが多いわけですが、急性肝炎などでは桁がヒトツ違って参ります。また、通常だるさや発熱、黄疸といった症状が顕著に出ますので検診ではなく、病院直接受信という流れになります。検診でもっとも多いのは肝臓に中性脂肪が蓄積してフォアグラ状になる脂肪肝ですが、軽微な場合は放置・観察のみとなります。例外として脂肪の蓄積だけでなく炎症を伴うような脂肪肝炎という病状は肝硬変に進展することもあることから積極的に治療の対象となっています。頻度的には圧倒的に脂肪肝が多いわけですが、B型やC型の肝炎ウイルスによる慢性肝炎や甲状腺ホルモンのバランス異常、リウマチなどの膠原病関連(自己免疫性肝炎など)が隠れていることがあり、注意を要します。なぜならこれらは病気の背景によって治療が全く異なって来るからです。このことから、肝機能異常値の程度が軽いから大丈夫という考えは捨てて、一旦肝障害の背景を探るべく細かい血液検査や超音波検査などの負担の少ない検査は是非受けていただきたい項目となります。そして、これらの病気全体に不安定要素として影響してくるのが飲酒です。精密検査で肝臓病の診断がついても、どうもそれだけでは説明つかないような状況(例えば異様にγ-GTPが高いとか)の場合は飲酒の影響も懸念されます。楽しく飲んでいるなら結構なのですが、以外に飲める方々こそ要注意です。普通に仕事ができているからと放置すると大本の肝臓病の悪化促進要因となります。飲める方ほどご注意というのが本音であります。