減薬の勧め
[2024.10.07]
医療保険の逼迫が喧伝され、減薬への見直しが勧められています。特に高齢の複数の持病をお持ちの方に複数服薬傾向があります。急に増えたわけでもなく、必要なものなら致し方ないのですが、中には「朝からお腹いっぱいになりませんか?」といった方もいらっしゃいます。例えばですが脳梗塞や心筋梗塞後などに再発作予防の抗凝固製剤を使用しますが、胃を荒らしたりする報告があり、胃薬との併用が勧められています。また糖尿病などでは1種類の内服だけではコントロールが難しく、複数併用はめずらしくありません。また、以前出血性胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症し、気を抜くと再発する場合もあります。こういった病歴の場合は長期複数投与もやむを得ないと考えますが、垣間見えるのはビタミン剤や胃薬の多重投与、昔は良く使っていたが効能の改善した新薬が出て既に古くなってしまった薬の継続、高齢なのにTVで血圧を130にしろと言っているのを真に受けて、ギリギリまで下げているなどが珍しくありません。また胃の薬と称して効能の異なる複数の胃薬を服用したり、むやみに整腸剤を継続していることもあります。ビタミン剤はドラッグストアで惜しいものを買えばいいですし、もうジェネリックすらもないような古い薬は中止へ、年齢にあった血圧コントロールを心がけて、必用な胃腸薬以外はやめるなど、患者さん側の意識改革も必要と感じています。検診で引っかかって内服を始めたという場合も多いですが(血圧・糖尿・高脂血症)、本当に内服が必要なのか?飲む前によく吟味することが大事です。今服用されている方なども、「このままで良いのかな?」と一旦立ちどまってみるのも良いかもしれません。