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産業医の活用

[2025.03.16]
仕事をしている限り何らかのトラブルを100%避けることは難しいのが現実です。怪我や病気などの身体的・肉体的なもの、うつや適応障害、不眠などの精神的ものあるいはその混合型もあろうかと思いますが、いずれにせよ病状に応じて受診・加療の流れが一般的です。しかしながら治療後の経過は必ずしも順調という訳にも行かず、手術後の体力回復やリハビリが予定より遅れることもあるでしょうし、メンタル的なダメージが長引いて階段を上がるように環境に適応せざるを得ない場合もあるでしょう。当然、予定通り進まないという現実は仕事復帰への足かせとなり、更にストレスを生み出し、悪循環を生じることも稀ではありません。こういったときの対応として患者が自身の担当医と話し、病状や回復の見通しについて相談し、説明を受け、それを会社の上司や現場責任者に話してその後の対応を検討する形が一般的です。悪いく言えば伝言ゲーム的です。遅れながらも着実に回復に向かえば会社とのやり取りも具体的となりましょうし、会社側としても戦力としてどこまで当てにできるかという面でも安心材料となります。しかし、意に反して時間がかかってしまった場合などは当然、具体的な数字も出ませんし、ましてや医学的な内容を上手に会社側に伝えるという事自体がストレスになったり、会社側からの信頼を損ねてしまう心配もあります。こういった場合は医者⇔患者⇔会社という構図を少し変えて、会社の産業医に間に入ってもらうという選択肢があります。担当医から経過についての情報(具体的には紹介状や医療情報提供書など)の書類を作ってもらい、それをもとに直接会社の担当や上司と情報交換をしてもらうのです。すなわち今後の方針に関する相談を、担当医⇔産業医⇔会社という構図に変更してみる訳です。悩んでいる当事者ではなく、客観的な意見交換をしてもらい、方向性をみつけることで随分ストレスも軽減されるのではないでしょうか。産業医の設置自体が会社の労働者が50人以上という縛りはありますが、うまく使っていくことによって変にこじれた労使関係に陥ってしまうリスクを多少でも減らせるのではと常々感じています。意外に活用されてないのでは?と感じることがありましたので一言。
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