肝機能障害の多彩さ
[2025.04.03]
検診でGOT,GPT,γGTPといった肝機能検査異常を指摘されることはよくあります。もちろん強い倦怠感や黄疸(尿や目が黄色い)などの症状がある場合は緊急事態ですが、一般的には無症状なことがほとんどです。たとえば慢性肝炎などでGPTが200~300程度を推移していても日常生活には何ら支障がないことも珍しくありません。このためGPTが低いからOK?あるいは高いからダメという風にいかないところが肝臓のややこしいところです。なぜならその背景としての肝臓病は多岐に渡っており、治療法も原因によって真逆なものも存在するからです。まずは原因追及が最優先で、症状が無いからと言って放置するとゆっくりと肝硬変という機能の低下状態に進行してしまうこともありますし、すぐにでも治療を開始しないと肝臓がもとに戻らない肝不全に進行することもあります。また肝臓そのものが原因ではなく、近所の胆のうや膵臓だったりもします。このように肝機能が引っかかった時は念のため一通り評価(細かい血液検査や超音波検査など)は必要と考えております。