解熱剤信仰への決別
[2025.09.29]
つい最近アメリカ政府の公式声明として妊婦さんへのアセトアミノフェン(日本ではカロナールなどが商品名)投与は控えるような通達が出ています。これまでのガイドラインとは真逆であり、面食らってしまう方もあろうかと思います。妊婦さんには先ずはアセトアミノフェンでしたからなおさらのことです。アメリカなどは一般薬として普通に棚に並び簡単に手には入りますが、日本ではまだ処方箋の流通が主体だという事があり、やみくもに服用してしまう事には一定の制限が出来ていました。問題は妊婦さんが服用することでお子さんの自閉症の発症度が上がる懸念が指摘されておりますので、今後は他剤への変更(漢方薬など)、屯用の限定といった流れになってくるのでしょう。重要なのは妊婦さんに限らず、熱が出たら解熱剤という「解熱剤信仰」を止めることです。薬で熱を下げることと、早く病状を回復させるという事には何の関連性もありませんし、感染症における発熱は全く自然な身体反応だからです。痛み止めとして使用することは致し方ないことですが、熱を下げるということを主役に考えていけないということを再度お願いしたいと思います。
