身近な病気(?):便秘
[2021.10.16]
便秘。極ありきたりな症状で、その許容範囲は広いです。3食食べるたびに出ないと嫌!!から1週間に1回でればOkという方まで多彩です。結局、個人の排便感の満足度を満たせば良いということですが、これが意外と達成されてない様です。先ずはもっと出て欲しい派:出なければ下剤の増量や種類を変えるなどで一般的に対応しますが、古くからあるセンナみたいなものですと、有効量が確実に増えていきます。それでも出ているうちは良いのですが、基本的に便が固いと下剤服用後にお腹が痛くなるだけで結局出ない(トイレから出られない、脂汗を流していきんでる)なんて状況が発生します。これが意外と多いような感じがします。そこで登場するのが、古くからある酸化マグネシウム(以下カマ)です。腎臓が弱い方やご高齢の方には量の調整が必須ですが、それ程多くない量(500㎎~1000㎎あたり)でも十分に効果を発揮します。固くなくなったがそれでも出ないという場合は、そこで下剤の登場となります。上手く併用すれば両者とも少量で済んだりします。注意点としてカマの適量には個人差があり、調整が付き物だという事です。減らしたり、増やしたりして自分の適量を探すという手間を惜しんではいけません。どうしてもカマが使用しにくい状況では新しい下剤も複数出ています。便の水分量を増やしつつ、腸蠕動を促していくものや、従来大腸ファイバー検査前の下剤として使用していたものの改良版とか、お子様にも安心して使用できるものも出ています(特に後者)。小さいお子さんでは排便力も不十分ですし、時にコロコロうんちでお尻から血が出てしまうなどという状況も見受けます。「排便は気持ちいい!!お尻も痛くない!!」という感触を持ってもらう事が大事です(大人も同様ですが)。最近では「そこそこ出ているけど、もっとスッキリしたい派:すなわち便秘型過敏性腸症候群」の大人の方には直腸付近の排便機能・感覚を改善する様な内服も出ています。結局、排便を促すだけでなく満足感の追求という質の向上を目指せる状況になってきたということです。