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新型コロナの置き土産(ウイルス学、ワクチン学の混乱)

[2023.05.30]
covid19としての固有のウイルス存在が否定されたことは結構なことであるが、これのスピンオフ的な情報がソーシャルメディアに発信され、自分自身やや混乱しているというのが正直なところです。すなわち人間の周りにはウイルスや細菌、カビなどの微生物が沢山存在し、常に人間の自己免疫能力と戦いが続いており、その戦いは死ぬまで継続するという認識を持っていました。そして弱毒化した細菌やウイルスを体内に入れることで、これらの病原菌に抵抗免疫をつけるというワクチン概念にも大きな疑問は持ったことがありませんでした。しかし件の情報でははウイルスなどはもともとその下地になる物質は体内に存在し、生体に対するいろいろなストレス・刺激などが種々のウイルスを体内で生み出しているといった概念が報告されていました。すなわち体内に新たなウイルスが存在する状況は注射などで外から入れない限りありえないというのです。水痘や肝炎ウイルスなどのように生体に慢性的に忍ぶことを許され、時に帯状疱疹や肝炎といった形で表に出てくるということはウイルスと自己免疫とのバランスから従来の概念でも理解可能です。しかし多彩なウイルスの種類とそれの伴う種々の病状を全て「体内にウイルスのもとは存在している」という理論が説明できるのか疑問???の状態です。おそらくこういったマイナーな概念は医療経済的な側面からは邪魔な存在だったでしょうから、学説、論文などが表立ってメディアには出てこれなかったことは容易に想像できます。が故に、それが正しい理論・概念であるかどうかは大変重要な課題であり、今後は是非明らかにして頂きたいと考えています。なぜならワクチンという医療行為が必要なのか?とか、各種ウイルスに対して行っている抗ウイルス療法やインターフェロンなどが必要なのか?という現実的な問題がせまってくるからです。B型肝炎の母子間感染対策や抗ウイルス剤での肝炎コントロールやC型肝炎に対するインターフェロンフリーの内服は患者を激減させて、肝硬変・肝がんの管理にそれなりの成果を上げてきました。またHIVなどにおいても抗ウイルス剤の組み合わせによって発症のリスクコントロールに成果が出ていると認識しています。これら成果はすべて自己免疫VSウイルスという従来の構図ありきで発展してきたものです。ですから外来の各種ウイルスはもともと存在しないという学説に関しては早く結論を出して欲しいと感じている方も多いと思います。
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