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胆石および胆管結石

[2021.11.11]
胆石とは文字通り胆のうの中に石ができてしまう状況です。10~20才代では稀ですが、早い方ですと30才代でみつかることもあります。見つかるきっかけとしては全く無症状でたまたま検診のエコー検査などで指摘される場合と、石が動いていわゆる胆石発作を起こして病院や診療所で判明する二通りがあります。発作を起こす場合も”みぞおち”あたりが軽く繰り返し痛んで胃潰瘍や心臓発作などと思い込み、診断に遠回りしてしまうこともあるので要注意です。無症状で石が胆のう内にしかない場合は、基本的にそのまま経過観察となることが多いですが、海外長期出張などを控え予防的に胆のうを摘出する場合もあります。今は単純に胆のうを摘出するだけでしたら、基本的に開腹手術ではなく、腹腔鏡というマジックハンドみたいな道具を使い、傷も小さく入院期間も早ければ2~3日ということも珍しくありません。 一方、残念ながら発作を起こしてしまった場合は色んな治療が必要となります。この場合は石が胆のう内だけなのか?胆のうが繋がっている胆管(肝臓や膵臓とも連絡しています)にはないのか?で方針が変わってきます。前者の場合は併発している胆のう炎の状況によっては外からドレナージという管を胆のうに刺して、内部の炎症を軽減した後に胆のうを摘出します。この時も胆のうと周囲の癒着がひどくなければ腹腔鏡手術です。後者の場合(両方にあるいは胆管内だけに石がある)は胆管内の石が肝臓や膵臓を巻き込んでこじれるリスクがあるため、内視鏡や外からのドレナージを使って一時的に胆のうや胆管内の炎症を軽減する処置をとります。最近では内視鏡治療が進歩しており、胆管の下流から管や電気メス、カテーテルをつかって処置をし、最終的に石も取り出すことができます。状況によっては胆管だけを先ず処理して、胆のう内の石が再度悪さをするかわざと観察する場合もあります。要するに開腹の負担やベッド臥床のデメリットを極力減らし、特に高齢者や持病のある方の体力や筋力をなるべく削がない様な選択肢がとれるということです。胆石イコール開腹術後しばらくお腹から管が出ているなどという光景はずいぶん昔の景色となりました。今後もこういった低侵襲治療の選択肢が増えてくると思います。

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