こうやって行政はシレっと情報を出す。(審査結果)
[2022.11.07]
2 . 本 日 の 論 点 : 【 2 】 オ ミ ク ロ ン 株 対 応 ワ ク チ ン の 接 種 に つ い て
( 1 ) 使 用 す る ワ ク チ ン に つ い て
ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/ B A . 4 - 5 )の評価について
1
薬事食品衛生審議会提出資料(抜粋・要約)
非臨床データ
○ ファイザー社はマウスを用いて、1価(起源株)ワクチンを2回接種した
後に、各種1価又は2価ワクチンを追加接種する非臨床試験を実施した。
追加接種で2価(起源株/オミクロン株BA.4-5)ワクチンを投与したマウ
スでは、起源株、デルタ株及びオミクロン株(BA.1、BA.2、BA.2.12.1
及びBA.4/BA.5)に対して幅広い中和抗体の誘導が認められた。
審査結果
○ ヒトでの2 価(起源株/オミクロン株BA.4-5)ワクチンの臨床試験データは
得られていないが、現在得られている情報を踏まえると、
・有効性について、マウスの非臨床試験における2 価(起源株/オミクロン株
BA.4-5)ワクチンの変異株に対する免疫原性の結果から、現在流行してい
るオミクロン株BA.5 を含む変異株に対して幅広い予防効果が期待される。
・安全性について、既に承認されている2 価(起源株/オミクロン株BA.1)
ワクチンと同じオミクロン株系統であるBA.4-5 の配列を用いたワクチン
であることを踏まえると、安全性に影響を及ぼす可能性は低いと考えら
れる。ただし、海外での使用実績等が蓄積されつつあり、最新情報を引
き続き注視する必要がある。
○ 以上を踏まえ、ファイザー社のBA.4-5 対応ワクチンは品質・有効性・安全
性に重大な懸念はなく、承認して差し支えないと判断した。
マウスに接種した場合の中和抗体価
審査の考え方
○ オミクロンBA.1 株対応の2 価ワクチンにおいて、臨床データを含めた評
価がなされていることを前提に、オミクロンBA.4-5 株対応の2 価ワクチ
ンにおいては、欧米と同様に臨床データがなくとも評価は可能とし、臨床
データの提出を待たずに評価を進め、承認後追って臨床データの提出を求
めることとした。
薬事・食品衛生審議会の事務局として、PMDA及び厚生労働省は、薬事食品衛生審議会提出資料において、ファイザー社のオ
ミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)は、
• 現在流行しているオミクロン株BA.5を含む変異株に対して幅広い予防効果が期待され、
• 既に承認されている2価(従来株/BA.1)ワクチンから、安全性が大きく変わる可能性は低い、
ことから、承認して差し支えないと判断している。
第38回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(令和4年10月7日)資料より一部抜粋