大腸内視鏡の必要性について
[2024.02.14]
内視鏡テクノロジーは私が昭和59年に大学を卒業したころから(いわゆる研修医時代)急速に進歩しています。胃カメラは言うに及ばず、大腸カメラもその操作性や解像度は格段に上がり、粘膜(がん組織)を切除する道具の進歩や拡大観察したりする技術も目を見張るものがあります。最近ではAIを用いて医師の見落としなどをサポートする技術も実用化ま近のようです。欠点としては美味しくない下剤をある程度飲んで腸をきれいにしてから検査開始という段取りでしょうか。しかし、いちど肛門から盲腸付近まで見ておくことは大腸がんの管理の面で大きな安心材料です。もちろん慢性腸炎などでは繰り返して観察することも稀ではありませんが、大腸がんなどでは一旦きれいになってしまえば3年程度は安心して放置できます(クリーンコロンといいます)。ですので早期大腸がんの発見は重要なことであり、なるべく腸自体を切除することなく治療が完結することが望ましい訳です。このため症状がなくても便潜血検査などで確認をすることは重要です。しかし便潜血検査が完璧という訳ではなく、赤い下血があったり、急に便秘傾向になったり、下痢と便秘を繰り返すなど、従来の便通と異なる体調のときは一度大腸カメラでの確認をお勧めしています。