健診データの読み方
[2022.11.02]
春・秋と健康診断の時期であります。当然、レポートは戻ってきて色々な指摘が記載されております。もちろんまっさらな方もいらっしゃいますが、現役世代となれば多少の指摘はめずらしくありません(星印だったり、矢印だったり、コメントだったり)。一つ一つ付き合っていくと、最後にはすっかり病人にされてしまいますので、大事な点をお伝えしておきます。1.異常値は全てが治療の対象だとは限らない:血圧などは本来変動が激しいものです。診察室や健診現場などでは近況して高くなってしまうことも多いもの。自宅に帰ってしばらく、朝や夕方(入浴前)に再度点検してみることが必要です。尿検査のプラスマイナス程度は異常とは言えません。胸部X線検査などではただの所見として「古傷」をあえて記入することがあります。例えていえば昔からホクロがあるといった表現です。血液検査でも男と女でも基準が異なるものがあります。上限に近いとか、下限に近いなどが必ず異常とは言えません。これまでのデータと比較することが必要です。従来、健診の基準は病気を拾い上げるために、厳しめに設定されていることが多いものです。心電図なども病気でもないのに、やたらと所見が書いてあることがあります。脚ブロックや不整脈など、経過観察だけですむものもたくさん混じっています。2.初めて指摘されたことは注意しましょう:すなわちこれまでになかった異常値は一度吟味が必要です。貧血の進行やデータの悪化、新しい影があったり、何らかの自覚症状を伴う場合はご注意ください。3.要治療・精密検査要と言われている:明らかな異常値はやむをえませんが、コレステロールや中性脂肪、血糖値などは食事や運動など管理が行われているか否かによって変わってきます。基準を超えたからすなわち、内服だなどと言っていると朝から薬で腹一杯になってしまします。色々頑張ってもダメな場合は治療開始となります。しかし、胃バリウムでの異常や便潜血陽性、胸部X線の新所見はきちんと検査が必要です。再検査で安心しようなどと考えずに、詳しい検査を受けることをお勧めしします。いずれにせよ、慌てないで一度ご相談頂くことがよろしいのではないでしょうか。