食事や排便回数について
[2022.10.05]
食事や排便に関する質問を頂くことがあります。食事は3回摂るべきか?自分は朝はほとんど食べない、あるいは昼抜きが多いなど。これはこれまでの生活習慣として出来上がったものであり、突然3回きちんと食べるように方向転換するのはなかなか無理があると思います。体調の変化を来たしたり健診で異常を指摘されたりしなければ、極端な偏食などでない限り、自分に合った食べ方で良いと考えています。体調を整えるために意図的に断食をされる方もありますし、睡眠時間というのは自然なファスティング(プチ断食)という考えもあります。小腸というのは単に栄養吸収に関わるだけでなく、免疫や造血などに大きくしているという学説もあるくらいです。小腸を休ませる適切な時間というのは、睡眠時間以外は個人差があることは自然なことと思われます。このため毎日の食事の回数というのは成人の場合は自分の体調と相談しながら決めていくのがベターなのでしょう。なかには「不食」といった極端な方もいらっしゃいますが、こちらは例外だと思います。いずれにせよ3回の食事やら飽食などの習慣は見直す時期と感じますし、加工食品をなるべく避けて有機・無~減農薬のケミカルを避けた食事が今後のトレンドになるかもしれません。個人的には飽食を避けた食べた方に変えるだけでも腸への負担はずいぶん減るのではと感じています。真逆の話題が「排便」です。腸の動き自体が自律神経に大きく影響されますので、生活環境(ストレスや勤務シフト)の変化が異変の引き金を引く場合も少なくありません。また回数だけでなく、残便感を少なくすることがスッキリ感、いわゆる快便感につながることも多いようです。このため、毎食後排便しないと気が済まない方から、2~3日、稀には1週間に1回排便があればそれでOKという方もいらっしゃいます。このことは「排便回数」と「直腸での残便感の有無」の両者のバランスがとれて初めて満足した快便感が得られるという事だと思います。特に後者は個人差が大きいようです。このため、便秘の治療などにおいては快便の追求なくしては真の便秘コントロールとはなり得ないという、自己満足的持論を提唱しています。外来でも「スッキリ」までは結構紆余曲折あり、処方が定まるまでお付き合い頂くこともよくあります。食事と排便という連携した行為ですが、皆さん一度自分のこととして考えてみては如何でしょうか。