お子さんの処方
[2023.06.20]
大人もそうですが、特効薬というものがないときは、症状を緩和する処方(すなわち対症療法)を行います。解熱鎮痛剤、咳止め、下痢止め、嘔気止め、のどの炎症止め、等々沢山ありますが、症状が出た場合すべての処方を服用する必要はありません。解熱鎮痛剤などは何℃から使用すべきか?などはよく訊かれますが、特に指標はないとお答えしています。熱自体は体の正常な反応ですから、極端につらい、痛いなどの場合に使用すれば良いのであって、杓子定規に使う必要はありません。薬が切れればまた熱は再燃しますし、熱性けいれんや脳症を誘発したりする報告もあります。咳止めにしてもタンの切れが悪い状態で使用しても効きにくいですし、むしろ気管支を広げる薬を使ったほうが有効なこともよくあります。下痢止めも細菌・ウイルスに限らず、無理に腸の動きを止めることは症状を長引かせたりする可能性があります。大事なのは脱水症状に陥らないように少量ずつでも水分を確保することです。吐き気止めも症状が強いときは無理に口から服用しても嘔吐を誘発してしまい、症状が悪化することがありますので、座薬に切り替えることをお勧めしています。なるべく必要最小限度で管理できればベターと考えています。