インフルエンザの増加と治療
[2024.12.10]
新型コロナの発症がまだ燻っているなかで、徐々にインフルエンザの陽性者も増加中の印象です。もともと渡り鳥などが悪者扱いにされた時期が長かったですが、ここ最近は年間を通して発症例は存在しており、鳥が運ぶなどというロマンチックな感染経路は既に意味をなさないと考えています。もともと通常の風邪と同様に自然治癒する疾患であり、対症療法で問題ないところですが、抗インフルエンザ薬の投与に関しては一定の基準はないのが現状です。陽性になればなんとなく服用する(昔ならタミフル、最近ではイナビルやゾフルーザなど)風潮ですが、服用云々は自己判断であり自由なものなのです。タミフルの初期に小さいお子さんの異常行動が問題になった頃があり、それ以後、むやみに服用しないという患者さんも一定数いらっしゃるわけで、それはそれで特に問題はありません。薬を服用して一日も早く楽になりたいとか5日間の自宅待機の順延は避けたいと思う意向も十分理解できます。また風邪同様に高齢者や基礎疾患持ちの方は重症化予防を目的として服用を前向きに考えても良いのかもしれません。この辺りは、全く自由選択でありますが、なんとなく服用しなければならないという思い込みはなくして頂ければと考えております。