検診の心電図
[2023.04.27]
検診では安静時の心電図が一般的です。非常に情報の多い検査ですが、であるが故にレポートに余分な情報や所見の記載も多く、不安を煽ることがあるようです。個々の身体も大きい、小さい、太り気味、痩せ気味など個性が当然存在します。心臓も同様で脚ブロックなど波の形が標準的でなかったり、無症状の不整脈などの指摘はよく見かけます。しかし、要精査・加療などの指示がなければ放置で経過観察が一般的です。やや通常の脈よりも速く鼓動する期外収縮などはある一定の基準を満たさなければ無治療が普通ですし、心拍数も40~90回/分程度は観察可能なバラツキがあります。バラバラの脈や極端に早い、遅いなどの所見があれば治療の対象となってきます。不整脈以外には虚血とよばれる心臓を栄養している動脈が細くなって心臓が酸欠となる狭心症や心筋梗塞が有名です。これらと不整脈は別の対策をとることが普通ですが、時に合併して複数の治療処置を要することもあります。カテーテルを利用した治療やペースメーカー、弁膜症に対する非侵襲的治療など進歩にはめざましいいものがあります。検診で所見を指摘されたからと言って慌てて病院に駆け込む必要はありませんので、一度気軽にご相談頂くことをお勧めします。中には心臓移植を待つような難しい場合もありますが、色々な治療を駆使して社会復帰を試みて頂く相談先サイトなども出ているようですhttps://hatoraku.com/。最近はテレワークの充実など社会環境も変わって来ています。すでに心臓にトラブルを抱えているという方のサポートとして選択肢のひとつではないでしょうか。今日の本題とは若干ずれますが、本来持病をお持ちの方同志の患者会や情報ネットワークはSNSの進歩などと相まってこれまでにない広がりが期待できるのではないかと感じています。少しでもご協力できればうれしいことです。