検診とは?
[2023.10.22]
お勤めの方も自営の方も年に1回は健康診断をやってくださいねというアナウンスがTVなどでもよく流れます。特にガンの早期発見・早期治療は大事です、早く見つかれば治療予後も改善しますと、一生懸命です。検診をやる当院のスタンスとしては血圧にせよ、コレステロールにせよ、何がしかの治療を受けている以上は副作用確認の意味も含め、年1回は最低でも胸部X線、心電図、血液・尿検査くらいはやって頂戴とお願いしています。これに大腸や胃がんなどが心配な方は便潜血や胃カメラを追加する形になるわけです。中には行政が運営しているがん検診を利用したり、メタボ検診で一部代用している方もいらっしゃいます。検診というマススクリーニングというものはやればやるだけ金がかかり、かかった割には拾い上げ率は高くなく、コスパが悪いとよく言われます。しかしコスパを追求するというのは根本的に筋違いな見方ではと個人的には思っています。見つかった時点でたまたまたちの悪い病気だった場合、長期生存が得られなかったという場合もあるかもしれませんが、不整脈や弁膜症、狭心症(梗塞手前)、早期胃がんや大腸がん、肺がん、前立腺がんなど、その方個人にとって見れば、早めに見つかってよかったというケースは年間何人かいらっしゃいますし、それが多いとか少ないとかいうのは如何なものかと思っています。それよりもやたらと低めの血圧を誘導したり、何でもかんでも基準値超えは内服治療に誘導したりとガイドラインを強化(改悪?)して1億総内服治療時代を形成するのは感心しません。血圧などは以前は年齢+90程度だったではありませんか?コレステロールだってその方の背景を無視して一律治療開始というのは見直すべきではないかと思っています。折角企業が検診を設定しても、未受診者が多いのもこのあたりの不信感があるのではないでしょうか?福利厚生の押し売りは感心しません。ワクチンなどもそうですが、何でも受診率、接種率ありきというのは見直す必要があると感じます。