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広く浅い教育

[2024.06.17]
昔、受験生ブルースというフォークソングがありました。苛烈な受験戦争に翻弄された高校生や大学受験浪人生の心情をうたったもので、私などはリアルタイムな世代であります。今でこそ医療従事者として生業をなし、仕事の中でも生化学や物理学、数学(統計学)などの知識を引っ張り出すことがありますが、受験時代に培った数学、物理などよりもいわゆる読み書きそろばん的なレベルや英語などの外国語、税金の仕組みなどの社会的な知識などのほうが遥かに出番が多いことに気が付きます。まあ、医業なんだからそこまでの基礎知識だと言われてしまえばそれまでなのですが、一般的な社会・文学系などの学生さんはどうなんでしょうと思ってしまいます。これが高専だったり、商業・工業高校だったすれば、卒後実務的な方面に職人として展開する世界があるでしょう。また一般高校卒業後、専門学校に進学し手に職をというのも素敵な選択だと思います。自分のやりたいことだけを貫いて生業となせれば最高なのでしょうが、こういった方は稀でしょう。小・中学の義務境域的な部分での内容はもっと広く浅く行くべきであって、もっと追及したい場合の選択を高校以降に設置するべきだと思っています。浅く広くなら深刻な落ちこぼれも少なくなるでしょうし、ペーパーで評価しにくければ面接でも良いと思います。履修ポイント制にして飛び級を進め、個人の資質を伸ばすような制度を敷いていきたいと感じます。学校行事でも誰君のフィジカルがすごいなんて言うのは子供同士が知っていればいい話で、運動音痴と一緒にやらせたところでなんの面白みがありましょうか?学校は楽しいところであるべきで、集団生活になじんでもらったり、モラルを勉強したりが重要であって、他はサブで良かろうと思います。個性を重視しない教育は徐々に廃れていくと感じますが、急な展開は難しいでしょう。今は楽しめない・なじめない子供たちへのリモートなどでの支援を充実させ、自分を取り戻す環境整備が必要です。高校まで横並びの授業をうけ、その中で大学に進学し、受験とは関係のない学業を即興でかたずけ、他との差別化もままならないままあっという間に就活に入り、また就職先では同僚とどんぐりの背比べが始まります。これではいつまであっても自分の好きなことを生かした生業に辿り着けません。そんな夢の様なといっていても変わりませんし、海外では自分の好きなことを徹底的に学ぶことが当たりまえのように推奨されていますから、おのずとモチベーションにも差が出ます。サバイバルためにも個性を生かすというコンセプトを大事にしたいと思います。
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