満腹感の追求は止めよう
[2025.11.30]
「一度腹一杯白い飯を食ってみたかった」なんてセリフがレトロなドラマでよく聞かれます。ウチの年配の従弟たちは「戦後芋(当時はジャガイモ、さつまいも)ばかり食わされて今はあまり食べたくない」なんてよく言ってました。当時の厳しい食糧事情の反動もあってか、腹一杯食べるという行為が社会福祉的(?)意味合いから肯定される風潮があったのも事実で、大食い競争なんてのがTVのネタになることもその残党だろうと感じます(今やオワコン的雰囲気を醸しだしていますが)。社会背景からある程度は致し方ないのだろうが、高度成長期を挟んで、高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満といった成人病の増加と明らかにシンクロしているのも事実であります。「腹一杯食べないと満足できない」ということと「お腹いっぱいにしてあげることが善意の証」という風潮が相まって、成人病の増加を招いているとは言えないだろうか?腹一杯食べて、眠くなって、そのまま寝るといった行動パターンが何時しか習慣的な快感に変容しているのでは?と感じます。偏食の話をしているのではなく、「腹一杯食べることによる満足感」って本当に自分の欲求なのか?という疑問を一度問うてみてはどうかと思います。特に難しくはない、普段より少し減らしてみよう、とか夜の食事はなるべく早めようとか、簡単なことからでよいのです。何なら、「あまり腹がへっていない」なんて感じたら、潔く食事を抜いてみればよい。そこで本当に自分が空腹感に苛まれるのかどうかを試してみて欲しいのであります。ほんとに摂食中枢に異常があり、専門的な治療を要するのかどうか?なんて瀬戸際に立つ前に一度自問自答してみ必要があると思います。常に腹が満ちている状況というのは、生体の根本的な飢餓への対応(体調維持)の間隔を鈍らせる可能性があります。絶食などのコンセプトがもてはやさるのも根本が同じだからかもしれませんね。
