運動と鉄欠乏性貧血
[2025.11.30]
運動選手におけるパフォーマンスと貧血には密接な関係があります。特に陸上競技や格闘技などのコンタクトスポーツでは怪我の防止の観点からも日頃の観察が必要です。「タイムが上がらない」、「いつもの練習メニューがきつくてこなせない」などの際は、貧血、特に鉄欠乏性貧血を念頭に置いての確認が必要です。勿論、内臓疾患や糖尿、他の病気の関りも注意が必要ですが、鉄欠乏性貧血は頻度的には最多で、これには激しい練習により血管内での赤血球破壊や発汗、女性では生理や偏食、胃や腸からの出血など多様な原因が存在します。病的な背景はともかく、単純な鉄欠乏性の場合は計画的な鉄剤(錠剤)の服用が効果的です。服用中便が黒くなったりなどの事象はありますが、服用継続すれば必ず改善します。胃の不調などで服用が困難な場合は注射投与も有効です。いずれにしても現役でスポーツを継続してる間は少なくとも年1~2回は血液検査で貧血のチェックをすることをお勧めします。もっとも良いパフォーマンス時期での自分の貧血状態(一般的には赤血球数やヘモグロビン値)を知っておくことはアスリートそしては大事なことです。
